秋田県現代詩人協会ブログ

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北斗星に吉田朗さんの詩

北斗星(5月21日付)に吉田朗さんの詩が紹介されています。

 「生まれたときから眠かった」で始まる吉田朗(ろう)さんの詩だが、『ある日戦争が始まった』
に所収されています。

 「生まれたときから眠かった」

生まれたときから眠かった
眠いねむい眠りの川で育ったのだから

川の名はむかし御物川
御物を運んだ父祖のいのちの川は
河口から追風が吹いておれたちを眠らせた
ある日この川をひとの好い農民兵士が渡った
町方兵士の行列も渡った

ゲンゴロ
ミズスマシ
サケもマスも
同じこの川の生まれ
おれたちは兄弟だった
川の名はいま雄物川
戦争のたびに長い行列が通った
ある日国家は威信を示した
鹿島祭りの船をひく子らを追っぱらったのだ
土手の餅草を摘む女たちを蹴ちらしたのだ
編上靴をへんじょうかと呼ぶこっけいさはあったが
まさしく天皇の軍隊は
農民兵士も
町方兵士も
みんな呑みこんだ
鴻毛の軽きにおく訓練をうけた男たちは
やがて小さな木箱へ入れられて故里へ帰った
女たちは泣くのも忘れて
川を渡って「英霊」を迎えに行った

生まれたときから眠かった
川はむかしから春を待ちあぐんで流れた
きょうロマンの紋様を消す海上警報の
河口の海鳴りよりも大きく
川を渡る訴えの声におれは耳を澄ます
日本を戦場にさせないための共同の行動
反核と平和に起ち上がった雄々しい意志
 核兵器ノー
 軍拡ノー

ふたたび戦争の道を許さない
思想の旗が渡る
国連軍縮特別総会へむかう県代表団の隊列が渡る
      (一九八二・国連軍縮特別総会の代表団激励会で朗読)
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  1. 2014/05/24(土) 00:12:28|
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