秋田県現代詩人協会ブログ

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秋田県現代詩人賞

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秋田県現代詩人賞の詩語り『降れば 降ったように』から、紹介します。

  「山 百衣」

春 山笑い
夏 袖を広げて 踊り舞う
秋 山燃え
そして 冬 眠る

気まぐれな山のカミは
よく 気まぐれないたずらをする
百色のパステルを
ひと朝のうちに ばらまいてしまう

出羽山地一帯が
百色の染め衣を着た朝
思いついたように
あなたからの古着を広げてみる

わずかなかび臭さと
未だに新鮮な 藍の香りがほの立つ

娘に遺すものなど何もないあなたは
黒ずんだ小ダンスから
木綿がすりの野良着を取り出して
布好きの私に手渡した

洗っても洗っても消えない汚れ
袖口の泥ジミ
左胸の乳ジミ

八人の子を産み 四人を亡くし
涙を埋めるように鍬を振り続けたあなた
ぬぐってもぬぐっても消えることのない
泥ジミと乳ジミ

あなたが歩いたモノクロの道を
気まぐれな山のカミのように
ありったけの染め衣で飾ってみたい
あなたの生命をひきつぐ者として


  「山のカミが おじまげる」

大雪の厚い布団の中で
気持ち良く寝すごしてしまって
祭りのホラ貝の響きに目を覚ます

ホラ貝だけではない
ウドと鰊の煮つけだの
よく熟成した にごり酒だのの香りが
ペコペコの腹の底の底まで浸みてくる

山のカミのふところでは
どうやら 春祭りが始まったらしい

山のカミは女だから
おじまげるのに時間がかかる

大雪の厚い布団をけとばして
たっぷりの雪しろ水で体を洗い
ふもとの沼を鏡にして

  うーん ええおなごだ

充分納得して
さっそく おじまげにとりかかる

まず 髪飾りには 半開きのコブシの花
衿元に マンサクの黄をぼかして
袖には ほのほのと咲くヤマザクラ
裾模様には とっておきのヤマボウシ

もう一度 沼を鏡にして
  うーん ほんとに ええおなごだ

仕上げに ホウの香りをつけた頃には
もう とっくに ふところの田は青々と
夏祭りの大太鼓が里人たちを踊らせる

開発と争いごとで
ボロボロ状態の地球だけれど
世界中の山のカミが おじまげれば
世界中の里人たちが
そのふところで 祭りをする

いのちが歌い いのちが踊り
いのちがつながる ずーっと つながる

山のカミのふところには
砲弾の雨ではなく 花吹雪がいい
爆音ではなく 躍動のおはやしがいい
戦火ではなく 恋のようなかがり火がいい


秋田県現代詩人賞(作品賞)です。

  「言うな」 悠木一政

がんばって と言うな
がんばっているのだから

ふりむかないで と言うな
ふりむくしかないのだから

わらって と言うな
わらいたくないのだから

なかないで と言うな
なきたいのだから

みんなで と言うな
ひとりでいたいのだから

たちあがって と言うな
たちあがれないのだから

ひなんして と言うな
ここにいたいのだから
ここがいいのだから

死んでしまったものには
なにもできないし
とりのこされたものに
生きかたを しいるな

地震も
津波も
原発の事故も
みんなかってにやってきて
すべてを うばってしまったのだから

のこされたものを さがしてあるく
きぼうのかけら
かなしみのかけら
ひろいあつめて
生きていく
2011.6.30「秋田魁新報社」掲載


秋田県現代詩人賞(奨励賞)です。

 「森を離れて」  平塚鈴子

夜のプラットホーム
ベンチになった ブナの丸太が
転寝している

丸太の端っこに
お茶目なオジサン の
帽子のような
サルノコシカケ が
電車待ちの人を 眺めていた

いや 線路で踊る雪たちから
森の 便りを 聞いている
のかもしれない

時折 北下ろしが吹き込む
薄明るい プラットホームの
階段を 下りてきたのは
熊 ではなく コートの老紳士
リス ではなく 赤い頬っぺの子
落葉 ではなく 駅のアナウンス

釘を 打ち込まれている
サルノコシカケは
身じろぎも できないが
さっきの子どもの
やわらかな手が 心に染みて
今夜は やさしい夢と会えそうだ

オバサンたちの お尻をのせたまま
ブナの木は もう
眠りこんでいるようだ

最終電車までは まだ間がある
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  1. 2012/05/29(火) 14:48:56|
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秋田県現代詩人協会総会

会員の前田勉氏のブログを借用します。

《平成24年度秋田県現代詩人協会の総会が28日開催された。

開会に先立ち、「秋田県現代詩年鑑2012」に収録された作品の中から、

東日本大震災をテーマにした4人の会員が自作詩を朗読した。



山形会長の挨拶のあと、平成23年度の事業報告と収支決算、会計監査報告、

平成24年度の事業計画案と予算案が審議され、承認された。

その他の事項では、来年5月に開催予定の「日本詩人クラブ秋田大会」に対する協会としての協力支援や

2年後に秋田県内で開催される「国民文化祭」への取り組みなどについて

それぞれ会長、事務局などから報告があった。

また、総会終了後、「第13回秋田県現代詩人賞」の表彰式が行われ、次の3氏が表彰された。

・詩集賞  吉田慶子氏 詩集「降れば 降ったように」

・作品賞  悠木一政氏 「言うな」(「秋田県現代詩年鑑2012」収録)

・奨励賞  平塚鈴子氏 「森を離れて」(「秋田県現代詩年鑑2012」収録)》
  1. 2012/05/27(日) 03:51:32|
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